パンドゥーラの調律

ミナさん所有のパンドゥーラは調律がかなり狂っていて元の音階が全然わからない状態でした。また小説を読んでいただいた方はご存知かと思いますが、現地で調律の道具を手に入れられなかったため、どんな道具で調律するかさえ全くわかりませんでした。

インターネットで検索して海外のサイトを見て回りましたがその文献を発見するには至らず、手探りで調律することとなりました。

 

 

本体をよく観察すると明らかですが、ペースの弦が12本、中音、高音にあたる部分には42本の弦が高音にいくにしたがって細くなっていきます。途中から巻き線とシン線に分かれており、その弦はギターの弦に似ています。しかし巻き線の芯の弦及びシン線はギターのそれよりかなり固く、ピアノの弦よりは細いものでチェンバロ弦に類似してるように思いました。

 

チューニングピン

チューニングピンもピアノのものより細めでこれもチェンバロ・ハープシコードのものと似たような感じでした。

 

チューニングハンマー

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調律道具がないため、おそらくハープシコードのチューニングハンマーが使えるのではないかと思い、調律道具店に注文し取り寄せました。今回使用したところ、やはりピッタリでした。

 

音階

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弦が交差する構造になっていて、その交差の仕方からピアノの鍵盤に見立てることが出来ます。

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おそらく12平均律で大丈夫だろうと思いました。つまりシとドの間には黒鍵がありません、同じくミとファの間にもありません。ドとミの間には黒鍵が二つ、ファとシの間には3つ。これをヒントにド=Cだろうと想像しました。

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ベースの部分はブリッジの切り込み深さが違っています。白鍵、黒鍵にあたる部分をを区別するためです。

 

調律

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以上のことを踏まえ、チューニングメーターを使用し半音階の調律を構築していくにあたって所有者のミナさんが試したところ3本ほど断弦…

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調律を代わって私が試したところ1本断弦…。どうもなにかが違うような気がしていたところ、まだ未調律の部分の音を探ってみるとドにあたるべきところにはソ付近の音があり、他の弦も4〜6度下がっていました。

もしかしたらCスケールではなく、

Gスケールかもしれない…。

つまりドにあたる弦をはじくとソの音が聞こえるように調律すれば…。

 

弦継ぎ

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巻き線が1箇所、シン線が3箇所断弦してしまったので代わりの弦を張らなければなりません。しかし当然ながら替えの弦がないわけで…。幸い断弦の箇所はブリッジの真上ではなくチューニングピンのコイル部巻き終わりからだったので弦継ぎをしました。

かなりの張力がかかる弦ですが適切な方法を取れば何とかなると思い試したところ結果は良好。ただ巻き線のそれは無理でしたので手持ちのギター弦を張りました。しかし太さをあわせても中央のシン線が違う太さなので強度が全く違い、同じ音の高さにすると再び断弦してしまう恐れがあったため1オクターブ低く張りました。

 

再び調律

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その後全部の弦を4度低い音にして調律したところ断弦もなく無事Gスケールにて調律を完了しました。弦を順番に爪弾くと視覚的に見ればドレミファソラシドと弾いたつもりでもソラシドレミ♯ファソと聞こえます。(Fスケールかもしれませんが…)

 

構造・音色・音量

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弦が交差している仕組みです。下のほうを爪弾くと白鍵にあたる音が、上の部分を引くと黒鍵にあたる音がでます。
繊細な響きで音量は小さめでした。多分指ではじいて弾くのでしょう、金属音の中にも柔らかい音色が心地良いです。実際の演奏や生の音を他で聴いたことがないのでまだわかりませんが、指にピック(爪)を使えば、そのピックもプラスチックや金属などを試せばまた違う音色になるはずです。

 

その他

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調律を別室でやったのですが、そこの室温が低く、実際音を出した部屋との温度差がかなりあったので次第に音程が下がってしまいました。音量が小さいのが気になります。響板のムクリが落ちてしまっている可能性もありますが、まだ寝た子を起こしたばかりの状態ですので結論を出すのは早すぎる気がします。何度か調律して響板を響かせ鍛えればまた違った音になることでしょう。断弦した巻き線は知り合いの工房にてチェンバロ用の弦を使って巻いてもらう予定です。

 

映像つきでパンドゥーラの音色を

器用なミナさん、早速♪ポロロ〜ンと…。